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コラム:Vol.93【散ることの美しさ】

秋も深まり、朝晩の冷え込みに季節の移ろいを感じる頃となりました。
境内の木々も色づき始め、風に舞う一枚の落ち葉が、まるで「いのちの儚さ」を語っているようです。

私たちは、散る葉を見て「もったいない」「さみしい」と感じることがあります。
けれども、葉が散るのは決して“終わり”ではありません。
木々が次の春に新しい芽を出すための、大切な準備です。
古い葉が落ちるからこそ、新しいいのちが生まれる。
自然の循環の中に、仏さまの教えがそのまま表れています。

「すべてのものは常ならず、移ろいゆく。
それを悲しむのではなく、受け入れてこそ心の安らぎがある。」

人の人生もまた同じです。
年を重ねること、別れを経験すること、変化を受け入れること。
どれも避けられません。
しかし、その変化の中にこそ「新たないのちの輝き」が宿ります。

散ることを恐れず、手放す勇気を持つこと。
それが、秋が教えてくれる“智慧”ではないでしょうか。

どうか皆さま、
この美しい季節に感謝しながら、
いまここにある「いのちの温かさ」を大切にお過ごしください。

サンガは新しい一歩を踏み出す皆様を応援しています。