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コラムVol.79【法然上人】

【法然とは?】浄土宗の開祖が説いた“念仏”の教えとは

先日浄土宗さまご寺院へご相談に訪問しました。
今回は、日本の仏教史に大きな影響を与えた僧侶「法然(ほうねん)上人」についてご紹介します。難しいイメージのある仏教ですが、法然上人の教えはとてもシンプルで、現代人にも響く部分がたくさんあります。

法然上人ってどんな人?

法然上人(1133年〜1212年)は、鎌倉時代初期に活躍した日本の僧侶で、浄土宗の開祖です。本名は「源空(げんくう)」といいます。10代の頃に比叡山に登って本格的な仏教修行を始めましたが、「どうすればすべての人が救われるのか」という問いに悩み続けました。

そんな中で彼が出会ったのが、中国の善導大師の教えでした。

「南無阿弥陀仏」と唱えるだけでいい?

法然上人がたどり着いた結論はとてもシンプル。
それは、「阿弥陀仏の救いを信じて、ただ念仏(南無阿弥陀仏)を称えれば、誰でも極楽浄土に往生できる」という教えです。

当時の仏教は、学問や修行を積んだ一部の人だけが救われるような難しいものでした。でも法然上人は、「老若男女、身分に関係なく、誰もが救われるべきだ」と考えたのです。

どうしてそんな教えが広まったの?

法然上人の教えは、貴族だけでなく、農民や武士、さらには女性や犯罪者にまで広がっていきました。「誰でも救われる」というメッセージが、多くの人の心を動かしたのです。

ただし、それは同時に当時の仏教界から強い反発を受けることにもつながりました。既存の権威からすれば、「修行を否定する」とも取れる法然上人の教えは革命的だったのです。

法然上人の現代的な意義とは?

現代に生きる私たちも、迷いや不安、孤独を抱えて生きています。そんな中で、「ただ信じ、念仏を称えることで救われる」という法然上人の教えは、宗教を超えて“希望”として響いてくるのではないでしょうか。

「頑張らないと救われない」ではなく、「信じるだけでいい」という考え方は、がんばりすぎる現代人にこそ必要なメッセージかもしれません。