コラム:Vol.74【宗派】
一般の方と面談をしていますと、○○の宗派がいい、どこの宗派でもいい。など
『宗派』の話をよくいたします。
仏教は長い歴史の中で多くの宗派に分かれて発展してきました。また同じ宗派であっても教義や解釈のちがいでいくつか分派しています。
例を挙げると、真言宗や浄土真宗、曹洞宗など大きな仏教教団を総括的に宗と呼び、本願寺派や醍醐派などその分派を派と呼びます。
お釈迦様の教えに始まる仏教は釈尊入滅後100年間ほどはお釈迦様の教えが忠実に守られていました。ところが解釈の違いから教団は保守派(上座部)と進歩派(大衆部)に分裂しました。
これが大乗仏教と小乗仏教の始まりと言われております。
紀元前インドから中国に伝えられた仏教は様々な解釈から多くの宗派を生み出しました。中国で生まれた仏教の特徴は僧侶や学者による学問の研究などに重きを置く学派が中心でした。
それを大衆向けの信仰集団としたのが中国天台宗の智顗と言われています。
日本においては奈良時代に生まれた南都六宗が学問中心の学派でした。その後天台宗、真言宗が平安時代に信仰集団を組織します。
以後多くの高僧、名僧によって色々な宗派が打ち立てられ、同心の僧侶や信者が集まり、今日の宗派を成立させます。
この宗派が好き、この教えが好きで僧侶を志した。
サンガではそういった思いを聞き取り寺院などを斡旋しています。