コラム:Vol.68『人手不足』
近年、あらゆる業界で「人手不足」が叫ばれています。特に中小企業や地方の事業者にとっては、慢性的な人材確保の難しさが経営の根幹に関わる問題となっています。寺院も例外ではなく、多くのご相談をお受けしています。なぜ今これほどまでに人手不足が深刻化しているのでしょうか?どのようにしてこの問題に立ち向かえばよいのでしょうか?
人手不足の主な原因
1. 少子高齢化の進行
日本の総人口は年々減少し続けています。特に生産年齢人口(15〜64歳)の割合が急激に減少しており、労働市場に供給される人材そのものが減っているのが現状です。
2. 働き方の多様化
副業・フリーランス・リモートワークの浸透により、正社員として長期的に働くスタイルが主流ではなくなりつつあります。これにより、企業が求めるフルタイム人材の確保が難しくなっています。
3. ミスマッチの拡大
「働きたい職場」と「働いてほしい職場」にギャップがあり、求人があっても応募がない、採用してもすぐに離職してしまう、といった状況が多く見られます。
企業が今できる対策
1. 働きやすい職場環境づくり
柔軟な働き方(リモート勤務、フレックスタイム制など)を導入し、社員のワークライフバランスを重視する姿勢が必要です。また、育児や介護と両立できる環境整備も重要です。
2. 業務の効率化・自動化
人手不足を補う手段として、ITツールやAI、RPA(業務自動化ロボット)の導入が進んでいます。定型業務を自動化することで、少ない人員でも業務を回せる体制を作ることができます。
3. 多様な人材の活用
高齢者、女性、外国人労働者、障がい者といった多様な人材を積極的に受け入れることも、長期的な人材確保の鍵になります。多様性を受け入れる企業文化の醸成が必要です。
4. 採用ブランディングの強化
「この会社で働きたい」と思ってもらうためには、企業のビジョンや魅力を明確に発信する必要があります。SNSや自社サイトを活用して、積極的に情報発信を行う。
人手不足は一朝一夕で解決する問題ではありませんが、雇用主ができることは多くあります。柔軟性と創意工夫を持って人材戦略を見直すことが、これからの企業成長のカギとなるでしょう。
寺院も企業と同様で雇用環境改善など企業努力を行わなければ人材募集が難しくなりました。
これまでの考え方を疑い刷新していく時代にさしかかっているように思います。
サンガでは雇用、労働両者が気持ちよく過ごすためのご相談を承っております。